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2017/1/25

低用量オプジーボ治療の症例報告(4)

患者さんは71歳の男性。
平成28年3月中旬より咳が出現。4月中旬になり左頚部の腫瘤に気づき近医受診。
すぐ地元の中核病院に紹介される。
諸検査にて左肺の腺癌と判明。左頚部腫瘤は頚部リンパ節転移。ステージは4。
抗がん剤治療を勧められ、治療しても余命1〜2年と宣告される。

余命1〜2年では困るとのことで、抗がん剤治療は拒否。
6月に知人の紹介でオプジーボ治療希望して当院に来院。(なんと、中核病院の担当医が普通に紹介状を書いてくれている)
こちらでも余命が延びる保証はないとの同意の下、低用量オプジーボ治療開始。
1回治療後に先ず咳が改善。
2回治療後に咳がほとんどなくなり、左頚部リンパ節の大きさが明らかに縮小。
3回治療後、胸部レントゲン上の肺癌の陰影が明らかに縮小。左頚部リンパ節は触れない。
この時点で明らかに治療が奏効していると判断し、治療継続を決める。幸い血液検査上も問題なし。腫瘍マーカーの中で唯一異常値を示していたCYFRAも正常値になる。

最終的に8回治療した時点で、中核病院にPET-CT依頼。
通常のCTでわずかに残る左肺の陰影がPETでは全く染まらず、マクロレベルでは一旦治癒とした。
しかしミクロレベルではわからないので、再発予防として今後しばらく2ヶ月に1回の頻度で治療継続することになる。

2016/12/19

低用量オプジーボ治療の症例報告(3)

患者さんは、74歳男性。
平成28年8月初め頃から背中の痛みが出現。近医でCT撮影し異常を指摘され基幹病院に紹介される。
基幹病院の諸検査にて、肺に陰影あり既に骨転移・肝転移・腹腔内転移あると。
この時点で、余命10ヶ月〜1年と宣告される。

9月26日の生検結果待たず、9月24日にオプジーボ治療の相談で当院に来院。
病院が治療に消極的だとのことで、合意の上オプジーボ20mgいきなり投与開始。

10月8日、2回目のオプジーボ投与のため来院。
結局、肺癌の組織は扁平上皮癌だった。
胸部レントゲン検査で右肺の原発巣は少し大きくなっていたが、左肺の肺内転移は消えていた(?)
微妙な結果なので、もう1〜2回はオプジーボ試してみることになる。
病院では10月13日より胸椎の転移に放射線治療を開始することになった。(脊髄損傷回避のため)

2回目のオプジーボ投与後に背中や下肢などの全ての痛みがなくなった。
ところが、放射線治療開始3日目に背中に激痛が出現し歩行出来なくなる。
放射線を当てた胸椎の骨転移が急に大きくなり脊髄を圧迫しているため、と判明。
胸椎の外科手術をすることになる。
問題は、この時の胸部レントゲン検査で右肺の原発巣が非常に小さくなっていたと。

胸椎の手術が無事に終わり、11月9日に未だ入院中だが外出して3回目のオプジーボ投与のため来院。
確かに当院での胸部レントゲン撮影でも肺の影は全て消えていた!

ところが、11月26日の4回目のオプジーボ投与で来院した際に、右肺の原発巣が胸部レントゲン上で薄く再発していた。
2回目と3回目の治療が手術の影響で1ヶ月開いたせいかも?といいように解釈して、そのまま4回目の投与施行。

12月10日、5回目のオプジーボ投与のため来院。
胸部レントゲン検査で再び右肺の再発した原発巣は前回より縮小。
まるで小細胞癌かと思われるような展開の目まぐるしさである。


この時点で基幹病院もこの患者さんに対するオプジーボの有効性を認識したらしく、
患者さんに以下のような提案があった。
(1)先ず内服の抗がん剤(TS-1)を前振りで少しの期間飲んでもらい、患者さんに食欲不振を(有っても無くても)訴えてもらい、すぐ中止。
(2)セカンドラインとして、その後に保険でオプジーボ治療を開始する。もちろん、標準量で。
病院と患者さんとのデキレースであり保険診療としてはかなりグレーだが、患者さんにとっては病院側の今回の配慮は幸運です。
おそらく効くと思われますし。

2016/11/19

オプジーボの副作用

52歳の男性。
平成28年7月に肺炎で入院した際に肺腺癌が見つかる。
既に脳にも転移がありステージ4。
当然のことながら抗がん剤治療を勧められたが、抗がん剤治療に対して偏見があり拒否。
いろいろ調べて、10月になり当院にオプジーボ治療を希望して来院。
オプジーボ20mgによる治療を開始。
1回治療しただけで、咳が止まり背中や頚部の痛みが軽減。
3回治療した時点で、既に両鎖骨上リンパ節の腫れはなくなり、肺の原発巣も縮小。

ところが、3回目の治療時に調べた血液検査で軽度の肝機能異常を認めた。
数日後に再検査したら、なんとGOTもGPTも一気に800 U/L超え!(正常は30U/L以下)
診断を受けた中核病院の主治医とケンカ別れしてしまっているため、取りあえずこちらでステロイド治療開始。
1週間でいずれの数値も2桁台に落ち着いてきたため、ひとまず安心。
問題はその後の積極的治療をどうするかで、オプジーボはもはや使えない。
明らかに効いているので非常に残念。
ご本人はヤーボイに賭けてみたいと言うが、思案中。
理論的には、ヤーボイの方が免疫暴走のリスクが高いような気がするので怖い。


これで、当院でのオプジーボ治療による肝機能障害は2例目。
(1例目は、最初に癌の診断をした大学病院が快く(?)治療を受け入れてくれ、改善)
他に、治療は継続しているが味覚低下2例と、因果関係あるかどうか不明だが両手の小指のみ痺れるという人が1例。
割合として10人に1〜2人に何らかの副作用が起きた計算。
ということは、標準量での副作用発生率とあまり変わらない。

オプジーボの副作用は用量依存性ではないようだ。
つまり、200mgだろうが20mgだろうが、同じように起きる時は起きる。
しかし、今のところ当院の治療の有効率は70%前後。
ただし、その効いた70%の人のうちでも10〜20%の人は副作用のため脱落する。
う〜ん、悩ましい。
ヤーボイはあまりやりたくない。オプジーボより更に高いし。

2016/10/29

低用量オプジーボ治療の症例報告(2)の続き

89歳の大腸癌+多発肝転移の患者さん、
10月下旬に行われた病院のCT検査で大腸癌は消失し、多発肝転移も痕跡に。
低用量オプジーボ治療5回やっただけの成果です。
油断せず、今後は当面2か月に1回にトーンダウンして治療を継続する予定。

ねっ、主治医の先生。
驚くのはまだ早かったでしょ?

2016/9/16

低用量オプジーボ治療の症例報告(2)

89歳男性、大腸癌+肝転移

平成26年4月に横行結腸に大腸癌が見つかる。
高齢のため手術が出来ないとのことで、抗がん剤治療開始。
しかし、副作用のため3クールで中断。
以後、在宅専門クリニックによる緩和ケアに入り、病院では3ヶ月に1回の経過観察ということになる。

平成28年2月、免疫細胞療法を希望して当院受診。
超音波検査上、上腹部に径60mm強の腫瘤を認め、いつ腸閉塞が起きてもおかしくない状況。
そのため、あえてオプジーボの話はせず、ご希望通りに免疫細胞療法を開始する。(もちろん、治療効果の期待値は限りなく低いことは了解していただいて)
この時点でオプジーボの話をしなかったのは、さすがにこの状況からの逆転は難しいだろうと考えたことと、ここで治療による副作用のトラブルが起きたらとどめを刺すことになるという懸念から。

平成28年6月、病院でのCT検査で新たに肝臓に3箇所の転移が見つかる。
この時点までで免疫細胞療法は6回行っていて、PD(癌は進行)。
しかし、全身状態がそれほど悪くなかったため、ここであえてリスク犯して最後の切り札として低用量オプジーボ(20mg)治療を提案し、了承受けたため開始。

平成28年8月、2回の低用量オプジーボ治療が終わった時点で、問題の腹部腫瘤はなんと60mm→28mmと半分くらいに縮小。超音波検査上、肝転移は見当たらない。

平成28年9月、4回の低用量オプジーボ治療が終わった時点で、当院での超音波検査では遂に問題の腹部腫瘤が見当たらない。消えたとまでは言えないが、径60mmの頃は超音波検査のプローブを当てた瞬間に上腹部に鎮座していた腫瘤です。
相前後して行われた病院での血液検査で貧血や栄養状態の著明な改善に主治医が非常に驚き、10月にCT検査が予定された。
主治医の先生、驚くのはまだ早いですよ。CTの結果の方が衝撃的だろうと思います。


どういう根拠か、オプジーボは大腸癌や乳癌などには効かないという情報がありましたが、このように大腸癌にも効いています。
癌の種類の問題ではなく、その患者さんの免疫力などの問題の方が大きいのではないでしょうか。
ただ、この患者さんの場合、治療当初の全身状態は決していいものではなかったので、6回の免疫細胞療法もオプジーボの効果に寄与しているのかも知れません。


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